ハラリを読むオンラインゼミ第9回

ハラリ"21Lessons"を読むオンラインゼミ

ハラリ「21Lessons」(河出書房新社)は、コロナパンデミックの中で、「今日の世界で何が起こっているのか」「人間は、世界の中でいかに生きるか?」「今、私たちに問われていることは何か?」を考えるために書かれています。本ゼミは、その著書から学び、内容について話し合い、一人ひとりが、視野を広げたり、視座を高めたりしていくことを趣旨として行っています。

リードの現役生・卒業生を中心に高校生・大学生・社会人が、世代・地域を超えて、一堂に会して、ハラリを読み解くことを軸に、議論を積み重ねています。(何か「正解」や「結論」を出す場ではありません。)

これまで、多様な人が参加してくれました。日本各地のみならず、カナダ・ドイツ在住の卒業生が参加してくれて、また、生駒でつながった色々な立場の社会人の方々にも参加いただき、非常にグローバル、かつ多様性に富んだゼミになりました。日頃学校の勉強だけしている高校生たちには、視野を広げ、視座を高めるとても貴重な機会になりました。高校生にとってだけでなく、それぞれの参加者の方にとって、日頃あまり接することない立場の人と話ができることは、とても有意義な体験になったと思います。

今年度も、新たな参加者を迎え、お互いに良い刺激を与え合えればいいなと考えています。新たにシンガポールに留学している卒業生も参加してくれる予定ですので、さらにグローバル化が進むかもしれません。

そんな、集まりの中で、これから、ハラリの「21Lessons」を、これまで読んできた部分の続きから読んでいきます。

今年度は、2ケ月に1回くらいのペース。
コロナ情勢下ですので、基本、Zoomを使って、オンラインによるゼミを行います。

今からでも、新たに参加ご希望の方も、ご参加いただけます。
リードの現役生・卒業生、今までのゼミ参加者からのご紹介があれば、どなたでも参加していただけますので、今からでも大歓迎です。

参加費は、無料

ハラリは、昨年来、現代世界の危機にあっては、「Citizen Empowerment」「Global Solidarity」こそが大事と何度も繰り返しています。彼の提起するこの2つのテーマは、いかなるものなのか、私たちはそれにどういう態度をとって生きるのか、このことを、ゼミでは、しっかり自分のテーマとしてド真剣に考えてみたいと思います。

本ゼミは、塾長・岩崎美好がファシリテーターとして、論議を整理しながら、レポーターにレジュメを用意してもらい、それを叩き台に、論議を進めていきます。

第9回ハラリ・ゼミの予定

期日:6月6日(日)13:00〜15:00 (日本時間)

今回読んでいくのは、以下の章になります。

「Ⅳ真実」の「17ポスト・トゥルース」「18 SF」

ここまでのおさらい

まず、ハラリは、本書の「はじめに」で次のような考えを示しています。

時代認識としては、「科学者や企業や政府が人間の脳に対してハッキングを行う方法を習得しつつある時代」であるとしています。

そこから、
「まず、目下の政治とテクノロジーにまつわる苦境を概観する。」
また、 
「ファシズムと共産主義が崩壊した後、今度は自由主義が窮地に陥っている」ので、「私たちはどこに向かっているのか」が、とりわけ差し迫った疑問だとしています。
さらに、
「ビッグデータを利用するアルゴリズムがデジタル独裁を打ち立て、あらゆる権力がごく少数のエリートの手に集中する一方、大半の人は、無用化に苦しむことになるかもしれない。」という指摘をしていきます。

上記の赤字の部分が、ハラリの重要な問題提起ではないかと私は考えています。

こうした問題意識の上に、Ⅰ部からⅣ部までの展開がありました。
(今回は、このⅣ部の続きを読んでいきます。)

Ⅰ部、Ⅱ部、Ⅲ部、Ⅳ部の概要を、ハラリが書いていることを確認しておくと以下のようになります。

Ⅰ テクノロジー面の難題
人類は、自由主義への信頼を失いつつあるー人類の最大級の難題を、バイオテクノロジーとIT(情報テクノロジー)の融合によって突き付けられているまさにその時に。

Ⅱ政治面の難題
ITとバイオテクノロジーの融合は、現代の価値観の核となる自由と平等を脅かす。テクノロジー上の難題の解決には、グローバルな協力が欠かせないが、ナショナリズムや宗教や文化のせいで人類は敵対する陣営に分かれてしまい、グローバルな協力が難しくなる

Ⅲ 絶望と希望
難題は前例がないし、意見の相違は甚だしいが、人類は恐れに己を見失わず、またもう少し謙虚な見方ができれば、うまく対処できるだろう。

Ⅳ 真実
グローバルなプロセスはみな、あまりに複雑になりすぎたので、誰であれ、一人の人間には理解できない。それならば、どうしたら世界についての真実を知り、プロパガンダや偽情報の餌食になることを避けられるだろうか

前回読んだ「15無知」『16正義」ではハラリは以下のようなことを書いていました。

まず、「15 無知」では。

「あなたは自分で思っているほど多くを知らない」と副題がつけられています。
そして、人間の判断は、合理的なものではなく、情動と経験則、そして集団的な思考によって決められていると鋭く提起しています。
そこから、世界が複雑になる中で、とりうる最善の行動は、私たち一人ひとりが自らの無知を認めることだと語ります。
ソクラテスの「無知の知」が大事だとしているわけですね。

「16正義」では。

「私たちの正義は時代後れかもしれない」と副題が付けられています。
人間は、太古から歴史の中で正義感や道徳性を作ってきたが、今日の世界では、そうした価値観では、複雑になった世界に適応できなくなっているとハラリは言います。
そして、「真実を理解して正義を見つけるという人間の探求は失敗に終わったのだろうか」と問題提起し、次の「17 ポスト・トゥルース」へ論を進めていきます。

ハラリは、このように内容を展開してきました。
今回は、その続き・「「17ポスト・トゥルース」「18 SF」を読んでいきます。

では、第9回、がんばっていきましょう!

まずは、本文を読んでみてください。
自力で全部わからなくてもまったくいいです。疑問点は、ぜひゼミで出してください。みんなの議論が深まります。
そして、自分なりにハラリが考えていることについて考えてみてください。
それをみんなで話し合う中で、自分なりに、人間や世界についての考えを深めていくことができると思います。それは、今後の人生にきっと役に立つはずです。

では、今回もがんばっていきましょう!


大学受験パーソナルラボLEAD

#奈良県生駒市
#Yuval Noah Harari
#21Lessons
#Liberal Arts Semi
#教養ゼミ

ゼミやLEADについてのお問い合わせなどは、

クリックして、フォームからどうぞ!

予備校との違いやパーソナル指導について
お気軽にご質問ください

0743-73-9498

受付時間15:30~21:40(月~土)