大学入試現代文の読み方

            

皆さま、おはようございます。こんにちは。こんばんは。
大学受験パーソナルラボLEAD国語科の桝崎徹です。

前回から今回までかなり間が空いてしましました。申し訳ありません。

前回では入試現代文とはどのような科目であるのかについて書きました。

“本文に書かれていることが全ての解答の根拠” “自分の考えを書くのが小論文で、筆者の主張を探すのが現代文=自分の考えを入れる隙はみじんもない”ということなどです。

それでは、どうやって“筆者の考え”とやらを探し、それを解答に反映させていくのか?前回の最後は以下のように終えました。

まずは、与えられた文章(=本文)を「正しく読む」ことから始めましょう!

・・・まぁ、なんか張り切って書いたくせに、エライ間が空いてたやないかい!・・・いや、本当にその通りなんですが、すいません。少し、お付き合いくださいませ。

与えられた文章(=本文/課題文)をどうやって「正しく」よむのか?

この問題に、一番手っ取り早く答えるとしたら、それは・・・

「国文法」のルールにしたがって読んでいく。

です。・・・国語の苦手な生徒さんがもっともっと国語が苦手になるような答え方をしてしまったかもしれません。

「また文法なん~!?」「英語と古文とかだけでかまへんやん~!!」「・・・っていうか、大学入試に現代語の文法なんか出ぇへんし!」

・・・そんな声があまたに聞こえてきそうですが。(あ!でもしかし、現代語の文法を問題として出題する大学は結構多いんですよ!それほど、大学の先生も、全体的な読解力の低下を心配してはるんです。)

話を戻しますが、日本語の文章を正しく読むためには、文法というルールを意識することが大事になってくるのは事実です。これが正しく身についているかどうかで、その後の伸び方が決まってきます!

ごちゃごちゃ言うよりも、まずは以下の例題をやってみてください。

例題 以下の文章を読んで、後の問いに答えよ。

公募入試も残り一か月くらいとなり、親も心配しだしたので、は改めて国文法のルールにしたがって入試現代文を解くための演習をするのだ。

 二重傍線部「僕」がすることは何か。次の選択肢①~➄から最も適当なものを選べ。

①公募入試   ②親に心配をかける  ③国文法  ④入試現代文  ➄訓練

すべて選択肢の言葉は本文に書かれています。事実、すべて「僕」がすることに思えます。(②だけはあまりしたくないですね。僕もさんざんやってきてしまいましたから・・・涙)

しかし、「本文をもとにして答える」「本文を客観的に読む」ということをふまえた上で、「文法」というルールを身に付けている人なら正解が出せます。

正解は「➄訓練」です。次にその解説をします。

「文の成分」を意識して文の構造をつかむことが、「正しく」読むための第一歩

例題の文は以下のような構造になっています。

公募入試も残り一か月くらいとなり、親も心配しだしたので(ここまで接続部)、は(主語)改めて国文法のルールに

したがって入試現代文を解くための演習を(ここまで修飾部)するのだ(述語)。

            

※主語(主部)…文の主題を表す

 述語(述部)…主題の説明をする

 修飾語(修飾部)…他の部分(被修飾語・被修飾部)を詳しく説明する

 接続後(接続部)…前後の文章や文節をつないで、両者の関係を示す

 独立語(独立部)…他の部分とつながりが弱く、独立して呼びかけや感動などを表す

赤字の「」は主語です。主語に対応するのは述語(=するのだ)です。そして、何をするのかを詳しく説明するのが修飾部(=改めて国文法のルールにしたがって入試現代文を解くための演習を)です。

この段階で、接続部(=公募入試も残り一か月くらいとなり、親も心配しだしたので)の中に入っている①公募入試は正解になりません。「いやいやいやぁ~!この人は公募入試、受けますやん~!ほんで親にも心配かけてますやん~!」と考えてしまった人は、文の構造に注意してください。「するのだ」という述語を詳しく説明しているのは修飾部ですので、そこに答えがあると考えないといけないんです。修飾部の中を見ると、意味に中心は「演習を」ですよね。「改めて国文法のルールにしたがって入試現代文を解くための」は「演習を」を修飾しています。

 

解答するときには意味の「中心」を考えなければなりません。だから正解は➄「演習」です。

これが「正しく」読むということです。

つまり、一文にも要点がある、ということですね。その要点とは、主語(部)と述語(部)です。この、“意味の「中心」”を考えるという意識の持ち方は、今後、“具体”、“抽象”というとても大事な文章の関係・段落の関係にも関わってきます。またこれらのことをしっかり身体にしみこませれば、英語の文法・読解にも大きく影響をあたえてきますから~!しっかり日ごろから心掛けてください。

 もう一つだけ、例題を。

例題 以下の文章を読んで、後の問いに答えよ。

『もののけ姫』という映画をご存知だろうか?おそらく多くの人々に観られた映画だろうが、その映画の主人公アシタカがタタリ神から呪いを受けてしまうシーンがある。村の少女を助けるために矢を放ったアシタカにタタリ神が呪いを放つシーンだ。人間を呪い殺そうとする狂気と怒りに翻弄されているタタリ神が、なんとも言えず恐ろしく、おどろおどろしく不気味に見える名シーンだ。
(音崎まする『宮崎を音崎が語る』より)

問1 青字②「不気味に見える」の「主語」を抜き出しなさい。

問2 次の<  >の中に肯定か否定かを、そして[  ]の中には上記の文章から適切な言葉を抜き出しなさい。

赤字①の「シーン」に対する筆者の立場は<   >である。それは[     ]という言葉から判断できる。

・・・さて、いかがでしょうか?文章の構成を正しく読み取れていますか?文章の成分が全てです。もちろん、自分の感情を入れてしまっては“客観的”からほど遠いものになってしまします。

問1の正解は「タタリ神」です。これは基本的ですね。

そして、この問1が、次の問2のヒントになっているのに気付けましたか?

問2は筆者の立場が肯定か否定かという問題です。

“呪い殺そう”“狂気”“怒り”“おどろおどろしい”“不気味”なんていう言葉があるので、なんとなく<否定>を選んでしまった人がいるのではないでしょうか?

しかも、たいていの人が“客観的に”読んでいるつもりなので、厄介ですね。無意識のうちにマイナスイメージの言葉により、先入観を入れて文章を読んでしまっていませんか。

問2の正解は<肯定>です!

設問をしっかり読んでくださいね。「傍線部①の「シーン」」に対する筆者の立場を聞かれているんです。問1を解いた時点で「不気味に見える」のはあくまでも「タタリ神」です。

筆者の「シーン」に対する立場は、二重傍線部②の[ 名シーン ]が根拠となり、あくまでも立場は肯定です。

上に羅列したマイナスイメージの言葉はすべて[ 名シーン ]にかかる修飾語です。大事なのは、やはり、主語・述語なんです!

「国文法」が大事だということはわかっていただけたでしょうか。

先にも書きましたが、今まで以上に現代文が苦手になってしまった人がいるかもしれませんが、なにも今から中学生時代の国語便覧やなんかを取り出して、それぞれの品詞の役割やら、用言の活用を復習しようとまでは言いません。

とりあえず、「文の構造」「助詞」「接続語」「指示語」を意識しなおしましょう!

引き続き、それでは、「助詞」です。

(※「が・は・を・に・と・の・より・から・しか」なんかのことです。)

・・・いやいやぁ~。また助詞てぇ~!そんなマイナーな品詞~!・・・そんな声がまた聞こえてきそうです。いや、そりゃ、実際の会話レベルであればその前後の流れや雰囲気から大体言いたいことは分かりますが、入試現代文を読むときにはそれで通用しないんです。

英語は「語順」が」すべてですよね。

  I have a lot of money.  (私はお金をたくさん持っている)

ですよね。これ、「Has money he of lot a.」でもダメだし、「Money he a has~」・・・いちいち語順を狂わせるほうが難しいです・・・。とにかく、英語は「語順」を間違えると意味が通じない。

しかし、日本語の場合、「お金を私はたくさん持っている」でもいいし、「たくさんお金を私は持っている」でも「持っている。たくさんのお金を、私は」でも通じないことはない。なぜなのか?それは日本語には「助詞」があるからです。「私は」の「は」、「お金を」の「を」たちが大活躍してくれているので、「は」の前が「主語」、「を」のまえが「目的語」(=修飾語)ということが語順がバラバラでも理解できるという数少ない言語なんです。日本語は。(はい、「言語なんです。日本語は」と倒置しても理解できますね。)

助詞の重要性をなんとなく理解してもらったところで、いやでもまだピンと来てない方もおられるでしょうから、例題です。助詞が特に重要になってくるのは、空欄補充問題の時です。

例題 以下の文の空欄に入れるのに最も適当なものを後から選び、番号で答えよ。

私は長い坂道を歩いていた。すべてがうまくいかない。いや、うまくいかせるという考えが甘いのだ。やや自嘲気味になりながら、前のめりで、もう少しでつんのめりそうになりながら。その歩き方はそのとき絶望と[   ]私にはふさわしいものだった。(~音崎まする『僕の細道』より)

① 感じていた  ② おちいっていた   ③ うちのめされていた

④ 付き合っていた   ➄ 立ち直っていた 

・・・いかがでしょうか?選択肢全部に自分で適切な助詞をつけながら考えてください。。

この問題で重要なのは、もちろん「絶望」の「」ですね。選択肢にある言葉で「と」が使えるのは一つだけです。

 正解は「④ 付き合っていた」ですね。

(他の物は① 感じる  ② ()おちいる  ③ ()うちのめされる  ➄ から(・・)立ち直る   です。) 

「④ 付き合っていた」ってなんか人間と付き合うみたいで~なんて思っていたらダメですよ!それは“比喩”で人間みたいに表現していると考えてくださいね。

そんなことより大事なのは、どの言葉がどの「助詞」と一緒に使われるのかということです。

もし、「絶望()感じていた」を選択した人がいたとしたら、この文は訳が分からなくなってしまうんです。「感じる」と「と」を一緒にして使うなら、「何を何と感じる」とならなければならないわけで、その「何を」がないから意味が通らなくなってしまいますね。たとえば、「その時の自分の感情()絶望と感じていた」であれば「① 感じていた」でもいいんですが。その他の選択肢も「と」とは一緒に使えない言葉なんです。

最後の例題を。

特別な働きをする「助詞」

例題 以下の文を読んで、後の問いに答えよ。

 ジブリ作品は好きだ。ディズニー作品も[   ]だ。

 [   ]に当てはまる語句のうち、最も適当なものを次の選択肢①~③から一つ選べ。

 ① 苦手   ② 得意   ③ 好き  ④ 嫌い   ➄ 普通

これ、入試で結構出題される文法ポイントなので、是非覚えといてくださいね。こんなん、分かるわぁ~という方もおられるでしょうが。

この問題でポイントになるのは助詞の「も」です。辞書では「も」の用法の説明に、「同類の一つ」と書かれています。「も」は同類の一つであることを表します。

例題の場合、「も」が協調しているのは「ディズニー作品」です。「ディズニー作品」が先に述べられている「ジブリ作品」と「同類(=同じ種類の仲間)」だということを表しています。・・・はい。正解は「③ 好き」にありますね。

 この「も」があることに気付くことは入試現代文の上達のポイントです!

さて、この「も」を「は」に帰ると、答えが変わってきます。

たとえば、

 ジブリ作品は好きだ。ディズニー作品は[    ]だ。

 「は」に注意してください。

「ジブリ作品」と「ディズニー作品」の説明は対比的な、限定的な(=他と違うということを表す)内容になりますね。それでは[   ]には・・・?・・・そう、「④ 嫌い」が入ります。

「助詞」が一文字違うだけで解答が変わってくるのです。だからめちゃくちゃ重要とういうことなんです!

そしてこの「は・も」のお二人は、「直接書かれてないことまでわかる助詞」という日本語の決まりの一つを背負っているお二人ですから、現代文読解の超重要な役目を背負わされているお二人でもあるんです。

「助詞」のことを書いていましたら、潔く芸能界を引退された芸人さんのあの枕言葉を思い出しました。

“芸()一流、人気()二流、ギャラ()三流。恵まれない天才、私()上岡龍太郎です。”

・・・やっぱりこの方は、「助詞」の使い方をよくわかってはったんですねぇ~!

・・・生徒に教室で言っても通じないので、こちらで書かせてもらいました。

「国文法にしたがって文の成分を見極める」「助詞に注意する」ことの大切さ、お分かりいただけたでしょうか?

次回は上記に書きました「指示語」「接続語」辺りに入っていきたいと画策しています。

最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

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