#自律して学ぶ力を育む
激動する世界!今、どう生きるかが問われています!
2020年〜21年のハラリゼミから、2年ぶりに、2023年、ゼミを再開いたします。
「21 Lesssons」を読んだハラリゼミでは、核戦争の危機、気候変動に伴う危機、AIなどテクノロジーの進化による危機などをはじめとする21の人類の課題を考えてきました。
しかし、世界は、ハラリがその本を書いた2018年以上に、大きく動いています。
コロナのパンデミック、ウクライナでの戦争、世界的なインフレー金融危機、ChatGPTー本格的なAIの登場などなど。
この中で、平和と民主主義を守って、一人ひとりが希望を持って生きていくためには、人間や社会をどう考えていけばいいのでしょうか?
そして、私たちは自分自身がどう生きていきたいのか?
今まさに、深〜く考える必要があると思います。
そこで、ゼミ再開にあたり、ここに、新たな参加者を募集いたします。
☆ 第1回:6月4日(日)13時〜16時 @LEAD

エーリヒ・フロムの「自由からの逃走」を読みます
今、これだけ世界が激動していても、高校生・大学生、そして社会人にとっては、日々の勉強・仕事に追われて、人間の生き方・社会のあり方、そして自分の生き方をじっくり考えている機会、あるいは、周りの人たちと真剣に語り合う機会が、実はあまりないなと感じませんか。
確かに、高校生が受験勉強のために学習したり、大学生が大学で単位を取ったり、就活をしたり、そして、社会人が目の前の業務をこなしたりすることは大事です。
しかし、そのように忙しく過ごして、私たちはどこにいこうとしているのでしょうか?
根本的な方向性は、見えているでしょうか?
日々を忙しくしている中で、気がついたら、日本や世界では、深刻な課題が多発してしまっていませんか。
こんな時だからこそ、意識的に時間をとって、状況に向き合い、自分に向き合って、考えることが必要なのではないでしょうか。
仲間と真摯に対話して、自分の考えを深めていくような時間を持つことも必要なのではないでしょうか。
フロムは、ヒトラーのナチスの時代にドイツで生きてきたユダヤ人ですが、ナチスに向き合い、第2次大戦の只中、ナチスが猛威を振るっている最中に、亡命先のアメリカで本書を執筆しました。
本書では、「なぜ、多くのドイツ人が、1930年代、ヒトラー・ナチスを支持していったのか?」 を、社会心理学の観点から、とりわけ、自由との関係から探求しています。
それは、過去の問題ではありません。
世界の厳しい状況の中で、今、私たち自身が問われている課題ではないでしょうか?
30年間停滞してきた日本経済ー経済の先行きの不透明の中、経済をどうするのか?
なかなか上がらない賃金にも関わらず、選挙の投票率は低下している中で、社会的な分断と民主主義の危機をどう乗り越えていくのか?
近隣諸国との軍事的緊張が語られ、軍備=戦争準備が突出しようとしているが、いかに戦争ではなく平和を守るのか?
そんな状況は、30年代の危機と同様、現代においても、再びファシズムに陥る可能性もないとは言い切れません。
再びファシズムに陥らずに、いかに平和と民主主義を守れるか。
今、ここで、しっかり考えて、選択していかなくてはならない状況に来ているのではないでしょうか。
そのために、フロムの「自由からの逃走」=ファシズムと戦争の30年代の歴史的教訓を、しっかり学んで深く考えてみることも、今日においては意義あることではないかと考えました。
「自由からの逃走」(原題:Escape from Freedom)は、ドイツの心理学者・社会哲学者であるエーリヒ・フロムによって1941年に発表された著作です。この著作は、近代の人間が自由を手に入れたにもかかわらず、自由に対して恐怖や不安を感じ、自由を避けることがあるという問題について論じています。
フロムは、近代の人間は、自由な存在であるがゆえに孤独や不安を抱えることになると考えています。このため、近大人は自由を避け、ヒトラーのような権威を求める傾向があると指摘しています。フロムは、このような傾向が、ファシズムやナチズムなどの独裁政権の台頭に繋がったとも考えています。

入試でも、仕事でも、自分の頭で考える力が問われています
20世紀型の仕事では、与えられた仕事をマニュアル通りにこなせればよかったものですが、今の21世紀型の仕事は、課題を自ら発見し解決していくような仕事の仕方が求められています。
それに伴って、大学入試も、センター試験から共通テストへ転換され、思考力・論理力を問われるような入試に変わってきています。
つまり、仕事でも、学習でも、言われたことだけを覚え、こなしているだけでは通用しない時代になってきています。
こんな時代だからこそ、高校生、大学生、そして社会人にも、みずから社会の動きを捉え、その中でどう生きていけばいいのか、どう周りの人たちと協力関係を作っていけばいいのかを考える力を養ってもらいたいと思います。
ゼミでは、フロムの「自由からの逃走」を読み解き、その内容を手掛かりに、現代社会が抱える問題や危機、それに対してどうしたら明るい未来を切り開けるのかについて、参加者みんなで考えていきたいと思います。
このような社会科学の本を1人で読み解くのは、なかなか骨が折れます。
ですので、参加者みんなで、自分の理解や疑問、今日的な問題意識を出し合いながら、ディスションをしていくことで、1人ではつかめなかった認知風景が広がってきたり、新たな気づきが得られたりするものです。
ゼミは、何か、統一的な見解をまとめる場でも、正解がある解釈をする場でもありません。
一人一人が、社会や人間について、視野を広げ、視座を高めるための場にしていきたいと考えています。
教養ゼミは、人間・社会の見方を鍛えます
LEADでは、15年間、受験勉強だけでなく、人文学、社会科学の文献を読むゼミを続けてきました。
基本的に、ゼミでは、古典的な書物を読み解き、人間とは何か、社会はどうあることが望ましいか、などという答えがない問いを、参加者みんなで考えてきました。
高校生から参加できます。あらかじめ知識は入りません。初めは難しく感じるかもしれませんが、社会科学の文献にチャレンジしてみようという気持ちがあれば大丈夫です。
先輩の大学生・社会人も参加してくれますので、幅広く、色々な立場の人の考えに触れることができます。
前回は、ドイツ・カナダなど世界各地の卒業生も参加してくれましたので、世界の動きもリアルに聞くことができました。
今回も、いろいろな立場の人が参加されますので、参加するだけで、視野が広がります。
目の前のテストや業務にすぐ役立つことはないかもしれませんが、こうして視野を広げ、思考力や知見を鍛えておくことこそ、今の時代を生き抜いていく力になるのではないでしょうか。
大学入試でも、現代文・英語の長文の内容、あるいは社会科目では、こうした知識が必要な内容も多々ありますし、AO入試の志望理由や小論文などの対策にも繋がります。
そして、社会に出てからは、こうした人間や社会について深く考える力が、良き人生や人に役立つ仕事をしていくために必要になってくると思います。
世界が難題に直面している今こそ、人間や社会について、一緒に考えていきませんか?
皆さんのご参加をお待ちしております。
進め方・スケジュールなど
*6月から10月まで、月1回程度のペースで。1回=3時間以内。
*リアル参加とオンライン参加とのに可能です。
*進め方は、塾長・岩崎がファシリテーターで、担当レポーターのまとめ発表とディスカションというゼミスタイル
*募集対象:塾生・卒業生・これまでのゼミ参加者・ご紹介のある人
〜参加希望の方は、スクパス、LINE、メール、メッセンジャーなどでご連絡ください。
☆ 第1回:6月4日(日)13時〜16時
「自由からの逃走」第1章〜第4章
参考資料①:ドイツ近代史
1775 アメリカ独立戦争 →76 独立宣言
1789 フランス革命→92第1共和制
1804 ナポレオン皇帝=第1帝政ーナポレオン戦争
(革命の輸出ーヨーロッパに自由主義的思想が広がる)
↓
1807 プロイセン:シュタイン・ハルデンベルグの改革ー農民解放
1808 フィヒテ「ドイツ国民に告ぐ」
1814 ウィーン会議
1815 ドイツ:ブルシェンシャフト(学生同盟)ー自由主義的運動
1830 ドイツ関税同盟(分裂していたドイツ諸国の経済的統一)
1840 アヘン戦争
1848
フランス二月革命=ウィーン体制の崩壊、独墺:三月革命
マルクス・エンゲルス「共産党宣言」
1857 インド大反乱
↓
1858 ムガール帝国滅亡=英によるインド直轄統治
1861 イタリア王国成立
アメリカ南北戦争
1864 第1インターナショナル
1866 普墺戦争ー67北ドイツ連邦成立
1867 日本:大政奉還、王政復古=明治維新
1870 普仏戦争
↓
1871 普(プロイセン)を中心としたドイツ帝国成立
1871 パリコミューン
1875 ドイツ社会主義労働者党
1882 独墺伊三国同盟
1889
第2インターナショナル
ヒトラー生
1894 日清戦争ー台湾植民地支配
1900 義和団戦争=北清事変
1904 日露戦争
↓
1905 ロシア:血の日曜日事件
1907 英露協商→三国協商
1910 日本:韓国併合ー朝鮮植民地支配
1911 中国:辛亥革命ー12中華民国
1914
第1次世界大戦
ヒトラー、入隊
1917 ロシア革命ー19コミンテルン(第3インターナショナル)ー22ソヴィエト社会主義共和国連邦
1918 ドイツ革命ードイツ降伏:ドイツ帝国解体。第1次世界大戦終結
1919
ドイツ労働者党(のちのナチス)創設ーヒトラーも入党
〜共産主義に対抗する反革命の運動
ワイマール共和国
ヴェルサイユ条約ー国際連盟
ナチス(国民社会主義労働者党)と改称
1921 ヒトラー党首就任
1922
イタリア:ファシスト・ムッソリーニ政権
ワシントン会議
1923
フランス:ルール占領
ヒトラー:ミュンヘン一揆失敗ー投獄ー「我が闘争」
1924 ドーズ案
1925 ロカルノ条約:独仏英伊伯の安全保障条約
1926 ドイツ:国連加盟
1928 パリ不戦条約
1929
ヤング案
世界恐慌
1931
フーヴァーモラトリアム
満州事変ー32「満洲国」
1932 7月総選挙でナチス第1党
1933
1月ヒトラー政権ー国連脱退
2月国会議事堂放火事件
3月全権委任法→第3帝国。ダッハウに最初の強制収容所
4月ユダヤ商店ボイコット
9月アウトバーン建設始まる
10月ドイツ国連脱退
ローズベルト大統領;ニューディール政策
1934 ヒトラー総統
1935
ドイツ:再軍備宣言
イタリア:エチオピア侵攻
1936
ドイツ:ラインラント進駐
スペイン内戦ードイツ、ファシスト・フランコ支援ーゲルニカ空爆
日独防共協定
1937
日中戦争
日独伊防共協定
1938
3月:ドイツ:オーストリア併合ーミュンヘン会談(英仏、対独宥和政策)
11月:クリスタルナハト
1939
1月 :ヒトラー、国会で「ユダヤ人絶滅」を予言
3月: チェコ占領
8月: 独ソ不可侵条約
9月: 第2次世界大戦
1941
6月:独ソ戦
12月:日本:真珠湾攻撃ー太平洋戦争
1942 アウシュヴィッツでユダヤ人大量ガス殺始まる
1943 イタリア降伏
1945
2月:ヤルタ会談
4月:ベルリン攻防戦、ヒトラー自殺
5月:ドイツ降伏
7月:ポツダム会談
8月:日本降伏ー第2次世界大戦終結
【 第2次大戦で亡くなった人の数 】
*日本:310万人
*アジア:2000万人
*ドイツ:580万人
*ユダヤ:600万人
*ソ連:2600万人
*アメリカ:42万人
参考資料②:ヒトラー、ナチス、30年代ドイツがわかる動画
⑴YouTube:古舘伊知郎が語る緊急事態条項の危険性 報道ステーション
*無料で見られます。
⑵NHKオンデマンド:NHKスペシャル 新・映像の世紀 「第3集 時代は独裁者を求めた」
*オンデマンドの視聴は、有料です。
⑶NHKオンデマンド:映像の世紀」デジタルリマスター版 第4集「ヒトラーの野望 人々は民族の復興を掲げたナチス・ドイツに未来を託した」
⑷NHKオンデマンド:映像の世紀プレミアム (18)「ナチス 狂気の集団」
⑸NHKオンデマンド:映像の世紀バタフライエフェクト 「ジェノサイド 虐殺と黙殺」