最近の大学入試の傾向

☆ 年内入試(指定校推薦、総合型選抜(AO)、公募推薦、学校推薦、付属校・系列校からの進学)が増えています。
私立では、全国平均で、6割が年内入試で入学。国公立でも徐々に増えてきています。
関西の私立では、年内入試では、以下のようなパターンが多くなっています。
①指定校推薦(大学から高校に人数が割り当てられ、高校が大学に推薦する制度。専願。高校で真面目にテストや部活をがんばっていれば、推薦がもらえます。)
②公募推薦(自己推薦で誰でも受けられ、英国・英数など2科目で受けられるところが多い。併願。関関同立はなくて、産近甲龍などの大学。)
③付属校・系列校からの進学(関関同立でも多い。中学か高校で入り、学校で真面目にがんばっていれば大学に進学できます。)
国公立でも、年内入試の学校推薦でかなり人数を割り当てている学部もあります。
☆ 一般入試(年明けの入試。国公立なら、5教科7〜8科目が標準パターンで、1月に共通テスト。2/25に前期試験。3月初旬に中期試験。3月中旬に後期試験。私立は、3科目が標準パターン。1月下旬に産近甲龍のA日程。2月初旬に関関同立。2月中旬に産近甲龍のB日程。3月上旬に後期日程。)は、私大では合格者数の比率が下がってきています。
国公立、私立とも、入試科目は、大学・学部で異なりますので、具体的には、志望校・学部を調べていきましょう。
このように、大学入試の仕組みは、相当複雑になっていますが、志望校・学部を何度も受験するチャンスがあるとも言えます。
さらに、23年度入試で表れている動きとしては、一般的に、情報系の学部が人気ですが、国際や外国語系は人気が下がってきているようです。
高校生は、早い時期から、自分の志望校・学部について、どんな入試制度があるのかを調べ、自分にあった制度を検討して、戦略を練っていただきたいと思います。
高3生は、しっかりデータを検討して、自分の学力の現状で、どこのどんな方式の入試で勝負するのか考え抜いて、残された時間を有効に生かして受験勉強と対策をし、願書を出しましょう!
『敵を知り、己を知らば、百戦危うからず』ですので、闇雲に焦るのではなく、自分と大学の状況をしっかり認識して、受験戦略を立て、貴重な高校時代を有意義に使っていただきたいものです。
>>>(参考記事)朝日新聞:「国立大にも広がる「年内入試」、入学者の半数超に 大学側の思惑は?」(2024年2月13日)
以下、各大学ごとにデータを検討していきます。
*以下のデータは、旺文社「2024年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK」を参照しています。
☆ 大学受験の入試制度が、親御さんたちの時代から比べると、相当複雑になってきています。
どんな入試制度を使い、どんな対策をしていけばいいのかなどのご相談を承っています。
こちらのご相談フォームから、お気軽にお問い合わせください。
同志社大学

*同志社は、年内入試と一般入試が、ほぼ半々。
実は、2月の一般入試の前にすで入学者の半数が年内に決まってしまっています。グローバルコミュニケーション学部に至っては、6割以上が年内に決まってしまっています。商学部も年内入試で6割近くが決まっています。
*23年入試では、文学部、商学部で、入学者が定員より少なくなっています。
このことが、来年度の入試に影響してくる可能性もありますね。
ちなみに、2024年度、この両学部の入学定員は変化ありません。
立命館大学

*立命館は、一般入試が、6割を保っています。選抜にあたって、これまでのように筆記試験の学力を重視しているようです。
*国際関係学部とグローバル教養学部という2つの国際系学部が定員割れを起こしています。
ちなみに、2024年度の募集でも、この両学部は、募集人数は変化ありません。
関西大学

*関大も、年内入試と一般入試が、ほぼ半々。
実は、2月の一般入試の前にすで入学者の半数が年内に決まってしまっています。
総合情報・社会安全・政策創造・法・経済では、5〜6割以上が年内に決まってしまっています。
このあたりの学部では、少ない残りの定員の枠を一般入試を受ける人が競うことになりますので、一般入試を受けようとしている人は、このあたりのデータも見ておく必要がありそうですね。
*23年入試では、法学部で、入学者が定員より少なくなっています。
このことが、来年度の入試に影響してくる可能性もありますね。
ちなみに、2024年度、法学部の入学定員は変化ありません。
関西学院大学

*関学も、年内入試と一般入試が、ほぼ半々。
実は、2月の一般入試の前にすで入学者の半数が年内に決まってしまっています。
国際では、8割が年内に決まってしまっています。
この学部では、少ない残りの定員の枠を一般入試を受ける人が競うことになりますので、一般入試を受けようとしている人は、このあたりのデータも見ておく必要がありそうですね。
*23年入試では、国際と総合政策で、入学者が定員より若干少なくなっています。
龍谷大学

*龍谷も、年内入試と一般入試が、ほぼ半々。
実は、年明けの一般入試の前にすで入学者の半数が年内に決まってしまっています。
経済では、5割以上、社会では6割近くが年内に決まってしまっています。
これらの学部では、少ない残りの定員の枠を一般入試を受ける人が競うことになりますので、一般入試を受けようとしている人は、このあたりのデータも見ておく必要があります。
*23年入試では、経済・経営・法・国際・先端理工で、入学者が定員より若干少なくなっています。
京都産業大学

*京産は、やや年内入試の比率が高く、入学者の半数以上が、年内入試で決まっています。
京産志望の人は、全般的に公募推薦で入学する人数が多いので、11月の公募の試験から、がんばっていきましょう。
一般入試の学力テストを重視しているのは、理学部と情報理工ということがわかります。
この両学部志望の人は、実力勝負がまだまだできそうです。
*ここでも、23年入試では、国際関係、外国語学部が、入学者が、若干定員割れしています。
近畿大学

*近大も、やや年内入試の比率が高く、半数以上が年内に決まっています。
特に、法学部の合格者は、7割が年内入試で、一般入試は3割以下です。
国際も、6割が年内入試で、一般入試は、4割以下です。
*逆に、医学部や理工学部は、6割が一般試験からの合格になっていますので、筆記試験での学力が重視されているようです。
*入学者が、定員割れしている学部は、法・経営・情報などがあります。
情報学部は、新設で競争率も難易度も高かったのですので、国公立との併願の合格者が国公立に入学して、結果として、近大情報学部に入らなかったということだと思われます。そういう意味では、やはり難易度が高い人気学部と言えそうです。
甲南大学

*甲南も、やや年内入試の比率が高く、半数以上が年内に決まっています。
特に、マネジメント創造の合格者は、7割が年内入試で、一般入試は3割です。
*逆に、理工学部は、6割が一般試験からの合格になっていますので、筆記試験での学力が重視されているようです。
*入学者が、定員割れしている学部は、ありませんので、合格者を多めに出して、定員を確保しているようです。理工やフロンティアサイエンスのように、学部によっては、定員の6倍近くの合格者を出しています。
武庫川女子大学

*武庫女は、年内入試の比率がかなり高く、入学者の7割が、年内入試で決まっています。
全般的に推薦で入学する人数が多いので、推薦型の試験を、がんばっていきましょう。
一般入試では、3割の人しか入学していません。
*ここは、23年入試では、健康スポーツ、音楽、薬学部が、定員割れしています。
その影響か、24年度入試では、募集人員の変更がされています。
薬学部の募集人員が、105名に減少しています。
逆に、文学部は、学科がリニューアルされ、430人に増加しています。
京都女子大学

*京女も、やや年内入試の比率が高く、6割以上が年内に決まっています。
特に、文学部の合格者は、64%が年内入試で、一般入試は36%です。
*家政学部以外は、入学者が、定員割れしている学部は、ありません。
合格者を定員の3倍前後出して、定員を確保しているようです。
同志社女子大

*同女も、やや年内入試の比率が高く、65%が年内に決まっています。
特に、学芸部と看護学部では、68%が年内入試で、一般入試は32%です。
*入学者が、定員割れしている学部は、ありませんので、ここも、合格者を多めに出して、定員を確保しているようです。
畿央大学

*畿央は、年内入試の比率がかなり高く、入学者の75%が、年内入試で決まっています。
全般的に推薦で入学する人数が多いので、推薦型の試験を、がんばっていきましょう。+
一般入試では、25%の人しか入学していません。
神戸薬科大学

*神戸薬科は、一般入試が、55%を保っています。
選抜にあたって、筆記試験の学力を重視しているようです。
*合格者を、定員の3倍ほど出して、うまく定員を確保しています。
大阪工業大学

*大工大も、やや年内入試の比率が高く、63%が年内に決まっています。
特に、知的財産学部では、85%が年内入試で、一般入試は15%です。
*入学者が、定員割れしている学部は、ありませんので、ここも、合格者を多めに出して、定員を確保しているようです。
京都大学

*京大は、一般入試での入学が、93%となっています。
圧倒的に従来型の筆記試験の学力が問われています。
今まで見てきた私立との違いは、一目瞭然です。
やはり国立は、筆記試験的な学力が、依然として重視されていますね。
*それでも、年内入試では、法学部の21人・人間健康の24人などの総合型選抜や経済の15人・工学部の30人のような公募の学校推薦入試が実施されています。
この年内入試からチャレンジすると受験の機会を増やすことはできます。
大阪大学

*阪大は、一般入試での入学者が89%となっています。
やはり、筆記試験の学力が重視されています。
*年内入試は、京大より多くなっています。
文系と理学部は、総合型選抜を用い、理以外の理系学部は、公募の学校推薦入試を用いています。
阪大でも、この年内入試からチャレンジすると受験の機会を増やすことはできます。特に学校推薦をもらえる人は、ぜひチャレンジしてみてください。
神戸大学

*神大は、一般入試での入学者が92%となっています。
やはり、ここも、筆記試験の学力が重視されています。
*年内入試は、京大より多く、阪大より少なくなっています。
国際人間科学の40人は、総合型選抜です。経済の50人・経営の40人は、公募の学校推薦入試を用いています。この辺は、狙い目かもしれません。
神大でも、この年内入試からチャレンジすると受験の機会を増やすことはできます。特に学校推薦をもらえる人は、チャレンジしてみてもいいかもしれません。
大阪公立大学

*大阪公立大は、一般入試の合格者が、86%で、筆記試験の学力重視は従来通りですが、年内入試合格者も結構多くなっています。
*公募の学校推薦が、360人もいます。
経済60人、看護55人、商46人、生活科学44 人、現代システム科学44人などが多い学部です。
学校推薦をもらえる人はぜひ活用してください。
北海道大学

*北大は、一般入試の合格者が、96%と、圧倒的に筆記試験の比率が高くなっています。
しっかり、共通テスト・2次試験の入試的実力をつけていく必要があります。
*一部、理学部、工学部などでは、年内入試が取り入れられています。
この学部は、入試機会が増えますので、チャレンジを検討しても良いかと思われます。
<以上、当塾の受験者が多いところから情報を上げています。>