入試現代文:本文の構成を見抜け③”因果”

皆様、おはようございます。こんにちは。こんばんは。大学受験パーソナルラボLEADの国語科、桝崎徹です。

国公立・私立の合格発表もほぼ終わり、どこか、“夏草や兵どもが夢のあと”の様相を呈しています。受験生の皆さん、この一年、本当にお疲れ様でした!そして新たにこちらの世界に来られる皆さま、ようこそ!

そんな中、LEADでは、はや春期講習がスタートしています。

さて、この「現代文の本文を正確に読み取る」=「筆者の主張を正確に読み取る」ための、本文の読み方。「本文の構成を見抜く」回も今回で最終回です。“言い換え”、“対比”に引き続きまして、今回は“因果”(関係)です。

因果ってなに?

因果とは、原因と結果のことです。はい。終わりです。・・・と、これでは味気ないですので、もう少し。

“筆者の主張”には必ず、“理由”が述べられます。“理由”を“原因・根拠”と言い換えても構いません。自分の考え(=主張)を言いっ放しにしていては聞いている人、読んでいる人に納得してもらうことはできません。皆さんの日常生活でもそうですよね?

因果関係を表す方法

因果関係を表す方法として、大きく、次の二通りがあります。

(※以下の文章に“筆者の主張”はありません。単なる因果関係を表す方法です。)

① 雨が降った。だから、傘をさした。

    [理由]       [結果]

② 傘をさした。なぜなら、雨が降ったからだ。

    [結果]        [理由]

①の場合は、「だから」の前が理由であり、②の場合は「なぜなら」の後に理由がきます。「なぜなら」の後に理由が来ることは受験生だけではなく、小学生でも普段の会話で使いますので、知っていて当然でしょう。ですから、受験でも出題されることは少ないのですが、「だから」「したがって」などの前に理由が来ることは、なかなかほとんどの受験生は意識していないことが多いんです。(びっくりするかもしれませんが、本当なんです) そこで、①の場合が良く出題されます。(※この“①の場合は~”の段落の中でも、因果関係を表す接続語を結構、使用していたのですが、お気づきですか?「ですから」「使いますので」「そこで」などです。これほど「因果」を表す表現の使用頻度は高いということなんです。)

よくある間違い

・・・あ!それから!よくある間違い、挙げておきます!

だから」と「つまり」という接続語の働きは同じだと勘違いしている人、多いと思います~!この二つの接続語の働きは全く違いますよ。「だから」は“因果関係”を表す働き。「つまり」は、その上と下の文や語を“言い換える”つまり、“イコール”でつなぐ働きです。

(どうしてこのような勘違いが起こるのかと考えてみたところ、やはり、日常会話での言葉の使い方を、そのまま書かれている言葉に当てはめて読んでしまうということです。普段の友達同士の会話で、「だから」を使う時、「・・・オレ、やってないって!いや、絶対やってないって!だからぁ~!さっきから何回も言ってるやん~!オレは殺してないってー!」のような使い方をすることがあると思うんです。・・・こんな状況、ないでしょうけどね・・・。まぁ、ドラマか映画だと思ってください。この時の「だからぁ~!」はその前の「オレ、やってないって!」と、そのあとの「オレは殺してないってー!」をイコールで結んでいるような使い方で、それに疑問を抱く人は少ないかもしれませんが、これは、間違いです。)

理由は主張にならない

いきなり以下の問題、やってみてください。

【例題】 次の文章を読んで、後の問いに答えよ。

スタジオジブリ作品はたくさん観ておくべきだ。スタジオジブリ作品とは、たとえば、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』などである。ジブリが設立される前の『ルパン三世~カリオストロの城~』も含める。このような作品群を観ておかないと、日常生活で忘れてしまっている「大切な何か」を忘れたままになってしまうからである。確かに、ディズニー作品も観ておくべきなのかもしれない。しかし、ディズニー作品は作品を観る前と、観た後での鑑賞者の「目線」が変わらないままなのである。順を追って説明していこう。 (後略)      ~音崎まする『崖っぷちのポニョ』~

【問】 この文章における「筆者の主張」として最も適当なものを、次の選択肢①~④から一つ選べ。

① スタジオジブリ作品はたくさん観ておくべきだ。

② スタジオジブリ作品とは、たとえば、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『魔女の宅急便』などである。

③ スタジオジブリ作品群を観ておかないと、「大切な何か」を忘れたままになってしまう。

④ ディズニー作品は、作品を観る前を観た後での鑑賞者の「目線」が変わらないままである。

・・・どうでしょうか?すいません。このブログではおなじみのジブリネタにまた走ってしまいましたが。

上の文書で注目すべきは、まず、以前にやった、二文目の「たとえば」という接続表現と、「このような」という指示語です。「たとえば」は後ろに「具体例」が来る合図になるんでしたね。そして、「このような」は「まとめの指示語」でした。それまでの具体例をまとめる働きをしています。

主張”というものは、具体例の前後に書かれていることが多いので、一文目に目を向けましょう。すると、「スタジオジブリ作品はたくさん観ておくべきだ。」とあり、これがこの文章の主張だとわかりますね。正解は①になります。

②は「具体例」です。「具体例」は主張を分かりやすくするためのものですが、あくまでも「例」であり、主張そのものではありません。そのため、②は正解として選べないのです。「具体例」は主張になりません。

③については、本文に「このような作品群を観ておかないと、日常生活で忘れてしまっている「大切な何か」を忘れたままになってしまうからである。」とあるため、これは主張の「理由」だということが分かります。「理由」は、主張が正しいことを補強する役割をしますが、やはり主張そのものではありません。そのため、「理由」も主張にはなりません

④は、以前の「対比」の回にやった「譲歩」のレトリックですね。「確かに~しかし・・・」となる定型文のようなもので、しかし・・・以降が大事になってきます。今回は・・・以降の文章はありませんので、正解にはなり得ません。「全ての根拠は本文にある」のですから、「本文に書かれていないもの」は無条件でNGです

“論証”ということ

皆さんは日常生活を送っているとき、「なんか納得できへんな」というような思いを抱いたことはありませんか?たとえば、「スマホばっかりいじってたらアカンねん」と言われたとしたとき。(これ、結構、言われている人、多いと思います。) そんな時、「べつにスマホいじっててもええやん。」と思うことないでしょうか。

このように、誰かが言いたいことは、相手にとっては納得のいかないものである場合が多いんです。そんな時に大事なのが、この“因果”を見抜く力です。それを“論証”といいます。論証とは「根拠(=理由)を述べて主張を導く」ことです。

例文で見ていきましょう

たとえば、上の「スマホばっかりいじってたらアカンねん。」という発言を、「スマホばっかりいじってたら、ブルーライトで目が悪くなるから、アカンねん。」と変えたらどうでしょうか。「ブルーライトで目が悪くなるから」の部分は、「スマホばっかりいじってたら、アカンねん。」に対する理由ですね。この関係が論証なんです。

因果の合図以外にも・・・!

「だから」「なぜなら」「したがって」「~から」などは因果関係合図なのですが、それら以外にも、この構成はあります。以下の二つの文を読み比べてください。

 ア 学校を休んだ。かぜをひいた。

 イ 学校を休んだ。かぜをひいたのである。

「かぜをひいたこと」が、「学校を休んだこと」の原因になったんだな、と思えるのはどちらでしょうか。・・・そう、イ、ですね。

アは、「休んだ後でかぜをひいた」とも受け取れます。「のである」があるだけで、そこに因果関係が生まれるのは、「のである」に次のような働きがあるためです。

「のである」はめっちゃスゴイ!

  • (  A  )。(  B  )のである。

このとき、AとBとの間にいくつかの関係が生まれます。

①「Aが結果、Bが原因」という関係(因果関係)

②「Aが具体、Bが抽象」という関係(言い換え)

③原因を示しながら、抽象化する(まとめる)関係(①+②)

なかなか、「のである」はスゴいんです!それでは、問題です!

次の各文は、上の①~③の、どの関係になっていますか?

 ア みかん、りんご、バナナを食べた。果物を食べたのである。

 イ みかん、りんご、バナナを全部捨てた。どれも、腐っていたのである。

 ウ 一昨日も、昨日も、今日も学校を休んだ。最近、体調が悪いのだ。

 ・・・どうでしょうか?答えは、アが②。イが①。ウが③ですね。

「~のである・~のだ・~のです。」はどれも同じ働きをします。「~わけだ・~わけです」もほぼ同様です。

最後に

今回は「因果関係(=論証)」の構成を見抜くことについて書きました。注意してもらいたいのは、この関係に注目すべきは、あくまでも入試現代文に限っての方がいいですよ。ということです。

上のほうに「日常会話での言葉の使用の感覚のまま、入試現代文を読み進めてはあきまへん」という内容のことを書きしたが、その逆もしかりです。「入試現代文読解の客観的な感覚のまま、日常生活を送らない方がいいですよ。」ということです。・・・なぜなら、友達がいなくなるかもしれないからです・・・。

日常生活のすべてにおいて、因果関係を探っていたら、それは、なんか嫌な人です。「なんでこれはこうなったんですか?」「その原因はなんなんですか?」「その原因を教えてください!」・・・国会です。・・・朝まで生なんとかです。魅力的な人に思えません。日常は原理問題で送ってはいけないと個人的に思っています。日常は程度の問題として送った方がいいのではないでしょうか。「・・・あ、この人、なんかちょっと苦手かも・・・」と感じる人は、大体、程度の問題を原理と問題として追及してくる人です。皆さんの周りのきっといるはずです・・・。

また、「こうしたら、こうなる」「こうだったので、こうなった」という「因果」ですべてを片付けてしまうのはどうでしょうか。人が生きていく上で起こることを、すべてにおいて因果関係で語り、分析などでできるはずがありません。

好きな歌の歌詞があります。

傷ついた獣たちは最後の力で牙をむく 放っておいてくれと最後の力で嘘をつく

嘘をつけ永遠のさよならのかわりに やりきれない事実のかわりに

たとえくり返し何故と尋ねても 振り払え風のようにあざやかに

人はみな 望む答だけを聞けるまで尋ね続けてしまうものだから

君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ

永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人などないと笑ってくれ

      ~吉田拓郎『永遠の嘘をついてくれ』作詞作曲:中島みゆき~

この歌詞の青字のところ。泣けてきます。普段を生きていく上での、人間の傾向をえぐっています。

弟の死に際し、僕はこの赤字の歌詞の部分を実感しました。そうなんです。・・・そうなんです。

・・・なんか、最後がしめっぽくなってしまいました。すみません。

今後も書き続けます。LEADでお待ちしています。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。


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