選挙ゼミ

選挙ゼミ:主権者教育はなぜ必要か?

*対象:塾生(18才未満も可)・卒業生・ゼミ生
*要項:別途ご案内

1、国レベルの動き18才選挙権の時代ー高校新科目「公共」・入試にも

2015年の法改正、2016年の実施以来、わが国では、18才選挙権の時代を迎え、国も、主権者教育を進めようとしてきています。

要は、2015年以前は、高校生が政治意識を持つことを抑え、「勉強」を中心にしてきましたが、逆に、それでは日本の先行きが暗いということで、政府も大きく政策を転換して、積極的に公共のこと、社会、政治、経済について、考えていく人を育てていく方向に舵を切ったということです。

本来、国民主権の原則からすれば、社会課題に自分の意見をもち、発言し、他者との対話で合意を形成し、よりよき状態を作っていくということは、民主主義社会では、当たり前のことです。

Yahooニュースによると、

「諸外国では、幼少期の頃から、子どもの意思決定を尊重し、主権者教育を実施している。

たとえば、ドイツなどの国々では、小学生の頃から、現実的な事象を取り扱い、問題解決の手段として、「市役所への連絡方法」、「メディアへの連絡方法」、「デモの手順」など、投票以外も含めた政治参加の具体的な方法を教えられる。

ノルウェーでは、中学校の社会科などの授業の一環で、子どもたちが各党の「選挙小屋」を回り、候補者やその支援者に直接質問し、各党の違いなどをまとめる。そして、選挙があれば、本物の政治家(候補者や青年部)を学校に招いて、討論会を行っており、本物の政党・候補者で模擬投票を行う。

諸外国では、選挙期間中に小学生と候補者が公開討論会で討論することは珍しくないが、日本でそういった取り組みはほとんどない。」

Yahooニュース:主権者として子どもが政策立案過程に参画する欧州の取り組み(子ども議会、子ども・青少年フォーラム)室橋祐貴日本若者協議会代表理事
7/11(日) 12:03

とのことです。

そう、日本では、政治を論じることがタブー視され、まして教育現場では論議しにくい状況が続いてきました。

さすがに、これではグローバルな世界に太刀打ちできないと政府も判断したのでしょう。主権者教育ということを学校現場でも実践しようとなってきています。

さらに、来年2022年から高校教育でも「公共」という教科が始まり、2025年からは大学入学共通テストの科目にも加えられていきます。(今の中2生から受けることになります。)

毎日新聞:世界では、若者が声をあげています。

2、一人一人が社会の主役になれるように

〜自分のやりたいこと、どんな社会が望ましいかを自分の頭で考え、対話を通して、他者とのつながり・社会の中でよりよき世を作っていけるように〜

私たちは、わが子たちの幸せを願って、日々子育てをしています。
教育もそのためにこそあるはずですが、これがなかなか難しいものです。

今までは、答えのあるテストで点数を取る「勉強」をすれば良かったのですが、これからは、最近よく言われている「探究学習」にしても、前述した「公共」「主権者教育」にしても、あらかじめ正解のないことを考えていく力が求められてきています。

例えば、世界的な問題である「環境問題」、「世界各地の紛争、そして難民・移民問題」、あるいは「AI時代の仕事ー経済格差の問題」、日本では深刻な「高齢社会における福祉や生き方の問題」、そして昨今の「コロナ対策」など、社会課題は山積しています。

参考資料:現代の人類にとっての21の難題を考えています。

どれも、正解がなく、これからみんなで知恵を絞りながら作り出していくしかないテーマです。
親世代にはなかったような社会課題、そして新たな状況で求められる仕事の仕方・ライフスタイル。

こういう状況にあっては、与えられた「勉強」をこなしているだけでは、この時代を主体的に幸せに生きていく力はつかないということです。

逆に、もっと自分はどう生きていきたいのか、どんな社会が自分にとってもみんなにとってもいいのか、自分で考え、仲間と対話し、よりよき状況を作っていきましょう!ということだと思います。

夢を持って生きていけるような人になる!ということかもしれません。

「主権者教育」という文科省の言葉は、確かに硬いですが、社会課題を仲間と話し合い、状況を改善していく営みを主権者としてできるようにトレーニングしていこうということですね。

そのためには、社会問題・政治問題に、まずなぜだろう?と疑問を持つところから始まります(これは勉強も同じ)。そこから自分なりの考えを深めていく、意見を持てるようにトレーニングをしていく必要があります。

なぜ意見を持つ必要があるのか。

日本の教育では、ここから始める必要があるレベルです。自分に関することを自分で決めていく力をつけるためです。

まず、現実や諸課題を知ることから始め、対話の中で互いに認識を深めあう中で、意見の相違がわかり、今度はお互いの合意点を探っていけるような力が必要になってきます。

その際、意見の違いはあって当然ですので、自分のその時の意見を絶対化せず、相手・他者をも尊重し、粘り強く互いの見解を深め合いながら、合意できるところ、合意できないところを見極めながら、共通の解決策を探れるような関係を作っていくことが大事になります。

要は、人間として互いに尊重し合いながら、次の時代を作っていく世代を「主権者教育」という形で、層として育んでいこうと政府はしているのだと思います。

まずは、自分の頭で、賛成か反対か、はたまたまったく違う選択肢か、考えてみよう!

【参考資料】定期テスト・宿題をなくした工藤先生の言葉:東洋経済:「与えられることに慣れた」子どもの残念な行く末

「与えられることに慣れてしまった子どもは、うまくいかないことを人のせいにする」。こう話すのは、千代田区立麹町中学校で大胆な改革を行い、現在は横浜創英中学・高等学校でその手腕を振るう工藤勇一校長だ。自ら考え、自己決定しなければ主体性は生まれない・・・

3、主権者教育としての「選挙ゼミ」

LEADでは、18才選挙が始まった2016年以降、国政選挙のたびに、高校生向けの選挙ゼミを実施し、選挙制度や選挙権の意味、そして時々の国政課題を学んできました。

ルールは、中立・寛容・安心です。すなわち、

中立:政治的・政策的立場は、各自の自由。何らかの政治的・党派的立場に染める場にはしない。誰に、どの政党に投票するかは、各人の自由。

寛容:意見の違いは、互いに尊重し認め合う。違いを丁寧に論じ合うことはあっても、決して互いに否定しない。

安心:どんな意見もO K(ただし、人権侵害はNo)。発言することも、しないこともO K。

この原則の上に立って、みんなが、情報・意見・疑問を持ち寄り、ディスカションの中で、それぞれの認識を深め、意見形成のステップにしていくという取り組みをしてきました。

今回も、少しでも、主権者としての意識を形成し、自分の意見を形成することにプラスなるような場として選挙ゼミを実施したいと考えています。

今回は、ある意味チャレンジですが、現役の議員さんにも参加してもらい、国会を間近に感じて、政治に自分たちも関われること、政治を変えていく力を自分たちも持てるのだということを感じてもらえる場にしていきたいとも考えています。

卒業生の保護者様のご紹介で、現役議員さんにお越しいただく予定にしています。LEADは、あくまでその議員さん・政党には中立な立場にたって、他党の政策も紹介することにも留意しながら、議員さんには、講師として、国会・国政のについてご紹介いただいたり、ディスカションで率直な高校生・大学生の疑問や意見に応えていただきます。

生の国会議員さんに触れる機会はなかなかありませんので、非常に貴重な体験になると思います。

主権者教育としての意義をご理解いただき、多くの高校生・大学生に参加していただくことを心から願います。

言葉・文化・価値観の違いを乗り越えて、対話していけるといいね!

資料:詳しい情報を知りたい方は以下①〜⑤をご参照ください】

①文科省は、HPに、「今後の主権者教育の推進に向けて (最終報告)令和3年3月31日 主権者教育推進会議」をあげて、そこでは、以下のように述べられています。

「選挙権年齢が満 18 歳に引き下げられ、・・・子供たちが主体的に、 主権者として必要な資質・能力を身に付けていくことがこれまで以上に重要となって おり、・・・主権者教育の充実に向けた政策を着実に展開してい くことが重要である。」
文科省HP:今後の主権者教育の推進に向けて (最終報告)令和3年3月31日 主権者教育推進会議

②また、総務省もHPで以下のように特集を組んでいます。
「主権者教育の推進に関する有識者会議とりまとめ(概要)1」

③そして、日本学術会議も以下のような文書を発表しています。
「報告 主権者教育の理論と実践」

④新しい科目「公共」について:NHKニュース

⑤大学入試センター、共通テスト:「公共」サンプル問題

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