『ガザとは何か』を読むゼミ

激動する世界!今、どう生きるか?

9月の教養ゼミはを、『ガザとは何か〜パレスチナを知るための緊急講義』(岡 真理著、大和書房)読みます。

塾生・卒業生、ご縁のある方に参加していただくことを呼びかけたいと思います。

今、私たちは、激動の世界に生きています。

すでに、ガザでは、4万人を超える人(多くが、子どもたちや女性と言われています)が殺されました。

この事態をもたらしている世界は、
トッドを読むゼミで学んだように、G7陣営とグローバルサウス陣営との対立が進行し、世界大戦が始まりつつあるかのように見えます。

アメリカ・NATOに後押しされロシアに越境攻撃をするウクライナ、パレスチナ・ガザでのジェノサイドを展開するイスラエルなど、第3次世界大戦につながりかねない戦争情勢が進んでいます。

私たちは、日常を、そんな世界の中で過ごしている以上、
ガザで起きていることを、「他人事」ととらえていいものでしょうか。


7月のイギリスの政権交代、11月のアメリカの大統領選挙での政権交代。
日本でも、岸田首相の退陣ー内閣の交代が間も無くです。


そんな中、インフレ・物価高、引き続く賃金の実質低下、防衛費の大幅増加ー実質増税による国民負担率アップ、教育や福祉への皺寄せが起きています。
皆さんの暮らしはいかがでしょうか。

このような情勢の中で、ガザやウクライナ・ロシアの戦争を止め、世界中の誰しもが希望を持って、平和に生きていくためには、私たちは人間や社会をどう考えていけばいいのでしょうか?

そして、私たちは自分自身がどう生きていきたいのか?

参加者みんなで、パレスチナの戦争と日本の関係、世界の動き、社会や人間の在り方を、本質的にとらえる論議を重ね、しっかり考えていきたいと思います。

高校生も受験勉強の渦中にありますが、だからこそ、関心ある人には、社会の一員として、何のために大学に行くのかをしっかりとらえ返す場を持ってもらうこともあってもいいと思います。

偏差値だけで行く大学を決めるのではなく、社会の中での自分の生き方を考えて、主体的に生きてく過程として、大学も選択してもらえたらと思います。

その意味で、日頃の勉強にプラスして、教養ゼミは、参加者みんなのディスカションを通じて、参加者各自が視野を広げ、視座を高める機会となることを目的としています。

この本です。講演の文字起こしなので、高校生でも読みやすい。クリックするとアマゾンのページに移ります。

教養ゼミは、人間・社会の見方を鍛えます

LEADでは、10数年、受験勉強だけでなく、人文学、社会科学の文献を読むゼミを続けてきました。

基本的に、ゼミでは、一冊の書物を読み、人間とは何か、社会はどうあることが望ましいか、などという答えがない問いを、参加者みんなで考えてきました。

高校生から参加できます。

あらかじめ知識は入りません。

初めは難しく感じるかもしれませんが、社会科学の文献にチャレンジしてみようという気持ちがあれば大丈夫です。

先輩の大学生・社会人も参加してくれますので、幅広く、色々な立場の人の考えに触れることができます。

以前は、ドイツ・カナダなど世界各地の卒業生も参加してくれましたので、世界の動きもリアルに聞くことができました。今回は、外国出身の社会人の方の参加もあるかもしれません。


今回も、東京など各地からの卒業生のオンライン参加も含め、高校生・大学生・社会人の色々な立場の人が参加されますので、参加するだけで、視野が広がると思います。

入試でも、仕事でも、自分の頭で考える力が問われています

20世紀型の仕事では、与えられた仕事をマニュアル通りにこなせればよかったものですが、21世紀型の仕事は、課題を自ら発見し解決していくような仕事の仕方が求められています。

それに伴って、大学入試も、センター試験から共通テストへ転換され、思考力・論理力を問われるような入試に変わってきています。

つまり、仕事でも、学習でも、言われたことだけを覚え、こなしているだけでは通用しない時代になってきています。

こんな時代だからこそ、高校生、大学生、そして社会人にも、みずから社会の動きを捉え、その中でどう生きていけばいいのか、どう周りの人たちと協力関係を作っていけばいいのかを考える力を養ってもらいたいと思います。

今回のゼミでは、岡 真理著の『ガザとは何か』を読んで、「なぜ、ガザでこのようなジェノサイドが起こっているのか」「現代世界はどのように動いているか?」「その中でどうしたら明るい未来を切り開いていけるのか?」「誰もが安心して暮らせる社会とは?」などなどについて、参加者みんなで考えていきます。

本書によれば、岡真理さんは、早稲田大学文学学術院教授、京都大学名誉教授。1960年生まれ。東京外国語大学アラビア語科卒、同大学大学院修士課程修了。在学時代、パレスチナ人作家ガッサーン・カナファーニーの小説を通してパレスチナ問題、アラブ文学と出会う。エジプト・カイロ大学に留学、在モロッコ日本国大使館専門調査員、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て現職。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。

今回のゼミは、このような岡先生の視点を手がかりにして、ガザのジェノサイドが起きてしまったパレスチナ紛争の歴史的経過と今日の事態をまず学び、私たちができることを、考えていきたいと思います。

このような社会科学の本を1人で読み解くのは、慣れない人にとっては、なかなか大変かもしれません。

ですので、参加者みんなで、自分の理解や疑問、今日的な問題意識を出し合いながら、ディスションをしていくことで、1人ではつかめなかった認知風景が広がってきたり、新たな気づきが得られればと思います。

ゼミは、何か、統一的な見解をまとめる場でも、正解がある解釈をする場でもありません。

一人一人が、社会や人間について、視野を広げ、視座を高めるための場にしていきたいと考えています。

ちょっと立ち止まって、自分と社会の関わりを考えていきましょう。

今、これだけ世界が激動していても、高校生・大学生、そして社会人にとっては、日々の勉強・仕事に追われて、人間や社会のあり方、そして自分の生き方をじっくり考えている機会、あるいは、周りの人たちと真剣に語り合う機会が、実はあまりないのではないでしょうか。

確かに、高校生が受験勉強のために学習したり、大学生が大学で単位を取ったり、就活をしたり、そして、社会人が日々の業務をこなしたりすることは大事です。

しかし、そのように忙しく過ごして、私たちはどこにいこうとしているのでしょうか?
根本的な方向性は、見えているでしょうか?

こんな時だからこそ、意識的に時間をとって、状況に向き合い、自分に向き合って、考えることも必要なのではないでしょうか。
仲間と真摯に対話して、自分の考えを深めていくような時間を持つこともあっても良いのではないでしょうか。

今・この時でも、ガザでは、多くの人たちが命を奪われつつあります。
こうした事態は、今日の世界の政治・経済の構造の中で起きていて、私たちの日常もその構造の中にあり、私たちもその構造を構成する一要素になっているとしたら、自分が変わることで、世界で起きていることを変えていくことができるかもしれません。

本書を読んでいくと、ガザで問われていることは、帝国主義の植民地主義の問題が根本にあり、この日本でも実はその問題が歴史的現在的に私たちに問われていることがわかります。
詳しくは、実際に本書を読んで、考えていきましょう。

すぐにできることは、わからないないかもしれませんが、同時代にこの世界に生きる人間として、何が問われているかを考えていく必要はあるのではないでしょうか。

受験勉強のように、答えはありません。
でも、自分で問いを立てて、深く考えてみることを、一緒にしてみませんか。

*その上で、政経や世界史を選択している人にとっては、受験勉強的にも、しっかり役に立ちますので、ゼミ当日だけでも参加する価値があります😆

『ガザとは何か』を読むゼミ:9月22日(日)のご案内

1)期日:9月22日(日)14:00〜17:00 
2)場所:LEAD (オンライン参加できます)
3)今回の範囲:岡 真理『ガザとは何か』の第1部(P.1 〜P.115)
4)進め方:レポーターに内容を報告してもらいながら、適宜、みんなで疑問・問題を出し合いながら、ディスションをしていきます。塾長が、ファシリテーターを務め、議論を交通整理していきます。
5)参加費:無料

塾生、卒業生、イコリューのボランティア参加者などは、どなたでも参加していただけます。
参加希望の方は、ご連絡ください。

参考資料

本書を読む参考になる岡先生の動画資料をあげておきます。

☆【岡真理にきく】ロシアは叩かれて、なぜイスラエルは許されるのか

☆特別対談『ガザ地区で今起きていることと、私たちにできること』(『ガザとは何か』著者 岡真理×哲学者 永井玲衣):音声のみですが、とても大事なことが討論されています。
https://youtu.be/s5NXMUldW0w?si=Xs0JvmV2vyaznkjv

☆「緊急学習会 ガザとはなにか」―登壇 岡真理 早稲田大学文学学術院教授

☆岡真理「ガザのホロコーストと近代500年の植民地主義」

映像資料・写真も豊富で、わかりやすい講演です。


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